スターリングラード

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スターリングラード

元々スターリングラード攻防戦もとい独ソ戦には興味があり、「同志少女よ敵を撃て」「スターリングラード(2003)」「戦争は女の顔をしていない」に触れていた。いずれもソ連側の視点であり、ようやくドイツ視点も……といったところ。スターリングラード(2003)はヴァシリ・ザイツェフをモデルにしたものでハリウッドが作ったので何やら英雄ものとしての側面が強かったと思う。というかゴリゴリのハリウッドのエンタメ映画でロシア語はバリバリに英語喋るしロマンス要素がめちゃくちゃあるし(ロマンスを避けるために戦争映画を見ている節があるので憤死してしまった) 正直言ってスターリングラード(1993)はそれとは別物で目を覆いたくなる悲劇だ。けれど私はこっちの方が大好きだし、何なら戦争映画の中で一番好きだ。まずめちゃくちゃ登場人物のキャラ付けがちゃんとしていて戦争映画なのにわりと顔と名前が一致した(同じ軍服とヘルメットで加えて外国人だと見分けがつかない) 主人公のハンス・フォン・ヴィッツラント少尉はめちゃめちゃに顔が良くかわいい。 一家の出でお坊ちゃん。正義と規律を最後まで突き通すあまりにまっすぐで真面目な人。戦場でも髪を梳かし髭をそる。かわいい。もう、なんか常にかわいい。見てもらえばわかる。少尉はかわいい。そのかわいい少尉が不条理に振り回されどんどんボロボロになっていく。本当にしんどい。 新兵のミュラーくん(かわいい)も面倒見のいいお兄ちゃんライザーも良いキャラしてる あとソ連の女性兵イリーナ。少尉のことあっさり騙して下水道突き落とすの最高でしたね……ロマンス方面にいったらどうしようかと思ってたので……少尉が……少尉でよかった。イリーナが囚われて「階級順にしよう」発言が出てきたときはマジでヒヤヒヤした、肝が冷えた。この頃は終盤で少尉もボロボロなんだけど、でも少尉はどこまでも人間として心を失わなかったからイリーナに私を抱けと怒鳴られるまでだった。「この娘に一切手を触れるな」さすがにかっこよすぎますよ少尉。そのイリーナが仲間に撃たれるのはむちゃくちゃつらかった。督戦隊……。 んで最後は少尉とライザーで足を引きずりながら雪原を歩く。力尽きた少尉、その少尉を置いていけなかったライザー。二人で抱き合って雪の中永遠の眠りにつく。こんなに美しいラストありますか????? 『……寒いってのは良いな。何も感じない。涙も出ない。』 『砂漠は最低だ。クソ暑くて汗だらけになる。でも砂漠の夜はいい……星が綺麗で……手が……届きそうなんだ。』 ボロボロに泣いていた。あの時代いた無数の彼らに思いを馳せると人間という生き物の性を恨まずにはいられなかった。
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