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「……あら、ラブラブのところ、お邪魔しちゃったわねぇ」
リビングの入り口に、キラキラした「存在」が立っていた。
一七〇センチ以上もあるスタイル抜群の肢体や、異国の血を彷彿とさせるうつくしい顔立ちは言うまでもない。
オリーブベージュのロングヘアーはふわふわっとしているのにツヤツヤの髪質で、透けるような真っ白な肌は文字どおり陶器みたいに滑らかだ。
そしてなによりも、まるで内側から発光しているように輝いていた。
「ふん、おまえの戯言のせいで美々の機嫌を損ねてしまったから、仲直りの真っ最中だ」
あたしからくちびるを離した万里小路氏が、自分こそ超絶に機嫌を損ねた調子で言い放った。
—— ひいいいいぃっ!
キスしてるところを見られてしまったっ!
それに……さらっと「美々」呼びされてるっ⁉︎
あたしはあまりのこっ恥ずかしさに、今度こそ近すぎる万里小路氏との距離を取るため、ソファの端への移動を試みる。
だけど、やっぱりすかさず彼の腕があたしの腰にまわされて、がしっと「固定」されてしまった。
「……美々、どうした?」
万里小路氏があたしの顔を覗き込む。
しかも、「中谷さん」の笑顔で。
——ち、近い近い近いぃーっ!
少しでも離れようと捥いていたら、もっと彼の方へぐいっと引き寄せられた上に……
「大丈夫だから……」
そう言ったかと思うと、なんとあたしの旋毛に、ちゅっ、とキスが降ってきた。
——「頬が熱い」どころの騒ぎじゃないんですけれども……っ!
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