Last Chapter

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「あ、あの……『好きな女』って……?」 びっくりして尋ねると、 「きみのほかに、だれがいるんだ?」 ひどくバツの悪そうな顔で答えが返ってきた。 「だ、だって……『演技』だって……」 「『演技』であんなことができるスキルは、残念ながらおれにはない。 あのような形でないと表せないのは情けないが、きみへの言葉と態度は……全部、本心だ」 彼の言葉は相変わらずの「冷血仕様」であったが、その耳朶(みみたぶ)を見ると、尋常じゃない赤さだった。
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