世界と私

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世界と私

そこは廃墟だった。 見慣れた景色はどこにもない。 崩れかけの家に蔦が這った店。ひび割れた道路と垂れ下がった電線。色褪せた看板が、そこが私の知っている店に違いないと静かに主張していた。 「どういうこと…。」 思わず言葉が零れた。 まさか本当に世界が滅んでしまったなどと言うわけではないだろう。 あり得ない現実に心臓が早鐘を打つ、呼吸が浅くなる。 何かから逃げるようにアパートの階段を駆け下りた。 早く生きている人を見つけないと。 これが夢だって確証を見つけないと。
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