世界と私

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どれくらい歩き回っただろう。頭の真上にあったはず太陽が、空を赤く染めている。 夕方になっても生存者は見つけられず、夢は覚めなかった。 スマホは電源が着かないし、近隣の店も電気が通っていないようだった。 暗くなる前に家に帰らなきゃ。 絶望した心に急に現実めいた思考が混じる。 まさか本当に一人になってしまうなんて。 あんなに恐れて泣いていた孤独は、実際に訪れてみると実感が湧かず、放心することしかできない。 だってこれは夢だ。きっとそんな妄想をしすぎて、夢にまで見てしまってるんだ。 だけど、赤々とした夕焼けは妙にリアルで、初夏にもかかわらず寒気がした。 死にたくない。 何故かそんなことを思った。これは夢なのに。 目が覚めれば、いつも通りなのに。
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