word2  「友達の弁当 今日」

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word2  「友達の弁当 今日」

 次の日、僕は朝から突然部屋に現れたパソコンと向き合っていた。  寝て起きても黒いパソコンは変わらず机の上にいた。顔を洗って朝飯を食べて、頭がはっきりと目覚めても確かに目に映る――。  となると、ちょっと不気味で怖い。よくよく考えれば考えるほど、とんでもない出来事だ。何で突然謎のパソコンが自分の元に現れたんだ。  少し離れた場所で警戒しながらパソコンを睨む。昨日も気になって寝付くのが遅くなった。もっと言うとほとんど寝てない。迷惑な話である。今日も平日で学校に行くというのに昼頃にはまた眠くなって勉強どころじゃないだろう。  でも、こいつを気味が悪いと速攻で処分しようとは思わない。何でも検索することができるパソコン。もしそれが本当ならこれは人生において禁止級の超チートアイテムだ。自分の人生を如何なる方向にも変えられるほどの。  だからその真偽を確かめる必要がある。  僕は黒いパソコンのキーボードに指を乗せた。当たり前にプラスチックの無機質な感触を指先に感じる。人智を超えた物質に触るのは僕の鼓動を早くした。  手っ取り早くこれが本当に何でも分かるパソコンだと判定するには何と検索するのがいいだろうか。1日1回の制約があるが、今日は審議を確かめることに使うとして、上手い事それを求める方法。  ただ自分が知らないことを調べるだけでは当然ダメだ。自分が知らないことでも誰かが知っていて、普通のパソコンでも調べることができるならこのパソコンの性能の証明にはならない。  全く誰も知る由がない情報でもダメ。地球が終わる日を調べたとして、それがデタラメではなく本当かなんてその日になってみないと分からない。  だとすると、今現在自分には全く想像が付かないし普通のパソコンでも調べられない、それに加えてすぐに答えが分かること。これが条件になる。  そう難しく考えなくてもこの条件ならたぶん、少し未来の話をこのパソコンに聞いてみるのがいいだろう。今日の夕食のおかずだとか、今日行われる何かしらのスポーツの勝敗だとか……。  検索することの方向性は決まったのだけれど僕はこれというものをすぐに決められなかった。おかずや勝敗じゃ当てずっぽうでも命中させられる気がしてしっくりこない。キーボードから手を離して、頬杖をつく。
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