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輝く夢をつかめ
リュウショウが用意する新たなゲーム"ウェザーズ"は対戦ゲームに気候シミュレーションシステムを組み込んだものとなるらしい。
リュウショウは自信満々だった。テストプレイの段階で、テストプレイヤーたちに多額の賞金が出る大会を開くことさえ約束している。
コウサクは、勿論テンションは高かったが、引っかかるものがないわけではない。それもそのはず。ウェザーズの操作マニュアルとともに渡されたのは、気象予報士の資格が取れるのではないかというぐらいに本格的な気象学のテキストだった。
「せっかく新しいゲームに誘ってもらったからには、てっぺん目指してえ。でも中卒の俺に気象学の本なんか読めだなんて。酷すぎるぜ……」
「コウサク。ぼくコウサクの粘り強さを知ってるよ。コマンド・ファイターズだって、極めるために戦術論を勉強してたじゃない。じつはコマンド・ファイターズって、戦術論ならマキャヴェリズムやクラウセヴィッツの戦争論も入ってるし、カントの思想も参照されてるんだよ?きづかなった?」
「マ…キャベツ?クラ……なんだって?よくわからんがあのゲームってそんな深かったのか」
こうして二人はゲームの練習と気象学の勉強に励むのであった。
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