人間に恋した狐

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「?…このお守りは亡くなった祖父が私のために買って来てくれたものなんです…子供の頃からよく見るから祖父が心配して…」 「へ、へー(認めたくはないがあいつの力は確かだからな)」 「何でもかなりのご利益のある神社だと聞いています…」 「…でも何でそれを持っているのに…」 「…見えるだけだと判断がつかなくてそれで先ほどのようになってしまうんです」 「…なるほどな…それじゃ今まで霊やあやかし、妖怪にあってもそのお守りが守ってくれてたんですね」 「ええ…ただ目の前で見えているのが…」 「霊やあやかし、妖怪なのかわからない…」 「はい…」 「…(わかったら…困るような気がすりが…)」  そう聞いて蔵前は自分が妖怪であることがわかったら困ると思った。 「…(だとしてもわからないと事故に合うのは避けたいよな)」  蔵前は悩んだがこれがあの時のお礼になるのならと思い申し出た。 「あ、あの…そのお守りの神社の人に…私…知り合いで…」 「え?」 「もしよろしかったら…その見えてもわかるように私から話を…」 「…でも…そこまでしていただかなくても…」 「い、いえ私が貴女に恩返ししたいだけで!」 「え…恩返し?」 「え…(しまった!…恩返し何て言ってもわからない上に変なやつだて思われるだけだ!)」 「あ、あの…」 「あ!…い、いや…その…昔…貴女に似た人に助けてもらった事があって…」 「…それで…恩返し?」 「ええ…あ、あまりにも似ていらしゃるので…あはは」 「そう何ですか…」 「ええ…あはは」 「それなら私じゃない方がいいですよ…」 「え…」 「助けてくれた人にした方がいいですよ」 「そ、そうですよね…あはは…(それに…彼女があの時の娘とは限らないよな)」  蔵前はそう思ってしょげた。 「…何だかすみません…私のこと…で相談に乗ってもらっているのに…」  そんな蔵前を見て大手は申し訳なく思い謝った。
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