人間に恋した狐

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「い、いいえ!…気にしないでください!…こっちがかってにいい出したことですし…」 お互いにうつむいて無言になってしまった。 「…(?そう言えば…あいつの所のお守り何だよな…俺が側に居ても平気なのは何でだ?)」  しばらく無言の二人だったが蔵前がふと思い大手に尋ねた。 「あ、あの…」 「はい…」 「そのお守りいつ頃から持っていたのですか?」 「え…えっと…私が五歳くらいの時に…」 「…(て、事はだいぶたってるな)…大手さん…もしかしたら…そのお守りの効力が切れているかもしれません」 「え…どういうことですか?」 「いつ頃からまた見えるようになりました?」  大手がそう答えて蔵前はお守りの効力が切れているのではないかと思い大手に更に尋ねた。 「え…えっと子供の頃はよく見ていましたが…このお守りを持ってから見ていなかったです」 「ということはつい最近また見えるようになった」 「ええ…」 「なるほど…やはり効力が切れていますね」 「え…」 「そのお守りは持続性のあるお守りですが…それを作られた方が亡くなっているから効力が切れたんです」 「え…」 「おそらくそのお守りを作られた方お年を召していてだいぶ前に亡くなられていると考えて良いでしょうね」 「え…どうして」 「本来そのお守りの力は作られた本人の力が宿しているたとえ作られ本人が亡くなってもしばらくは効力はあるのですがその作った人間によりますが…作った本人が亡くなると効力は弱まっていきいずれ切れてしまいます」 「え…じゃ…私が見えるようになった原因は…」 「お守りの効力が切れたと考えてもいいですね」 「そ、そんな…」 「…大丈夫ですよ…」 「え?」 「先ほども言いましたが…そのお守りを作った神社の者と私は知り合いなんです…そいつ…じゃなくって…その人に事情を話せば新しいお守りを作ってもらえますからね」 「本当ですか?」 「ええ…」 「…あ、あの…詐欺とかじゃないですよね」
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