トウマ(一)

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トウマ(一)

早朝から起きて夜明けを感じながら漫画を描くのが僕の日課だ。 ペンタブを軽快に操作しながら机の片隅のスマホをチラ見すると、流しっぱなしにしていたニュース動画の上に、過剰に(あお)る宣伝文句の妙な健康食品の広告が表示され、舌打ちをしながら僕はそれを消す。 しかし消した下から目に入ったのは、芸能人の経歴詐称(    さしょう)のニュースだった。 世の中、嘘ばっかりか。 嘘は嫌いだ。 僕は正直に生きたい。 みんなも正直であって欲しい。 ため息をつきながら動画を止め、表示された時計に、 「あ、もう出ないと朝練に間に合わないな」 と急いで部屋を出た。
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