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その2
「じゃあ、エアコン効いてるし、ドアは締めるわよ。3時前にはおやつ持ってくるけど、声かけて、こっちの部屋に置いとくわね。お母さんはお勉強のじゃましたくないから。ミツヒロ君、たのむわね」
「はい!ぼくんち5人家族で部屋も狭いし、とても班の子を呼べないんです。だから、こんな広いお部屋で自由研究できてうれしいです!」
恵理子は何とも嬉しそうにこっくりこっくりと頷きながら、満面の笑みを浮かべていた。
***、
「じゃあ、これ、エサのキュウリ…。短く切ってきたけど、これでいいかしら?」
「おばさん、ありがとう。じゃあ、ユウカちゃん、エサのキュウリ、虫かごの中に入れようか?」
「うん。…でも、ちょっと短かすぎない?」
「そんなことないよ。あんまり長くて大きいのじゃあ、狭くて入れられないよ」
「そうか。私は太くて大きい方がカブトとクワガタも興奮して、返って取りあいするかなって思っちゃった」
「ははは…、まあ、もっと入れるとこが大きければ、喜ぶだろうけど」
ここで母親の恵理子は何ともな苦笑顔をしていた…。
「じゃあ、お母さんは上のお部屋にいるから…」
恵理子はそう言って、サービスルームの扉を閉めると、鼻歌まじりに2階へ上がって行った。
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