。゚.+序章+.゚。

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「結婚!?」 予想外の言葉に思わずぱっと顔を上げると、大王の有無を言わせぬ瞳と、驚きと不安が入り混じったリンダの瞳が交差する。 「心配せずとも、相手は既に決まっておる。 相手は…」 「私は結婚するつもりはありません。」 リンダは大王の言葉を最後まで待たずに、強く言い放つ。 その瞳は大王を真っ直ぐに見、ぎゅっと握った両手に力が篭る。 その言葉に一瞬眉をひそめるが、あくまで優しく言い聞かせるように言う大王。 「何を言うておる。 あちらはそちの事をたいそう気に入っておられる。 しかも、向こうはリーヴァ国を治める王族で、由緒正しきカオジン家の者じゃ。 そちも知っておろう、リーヴァ国の第2王子、ラオン・ゼルシオ=バルア・ロ・リーヴァを……。」 その名前を聞いた瞬間、リンダを雷のような衝撃が撃った。 ラオンは、セルディア国の南西にあるリーヴァ国の王子で、リーヴァ国では1、2を争う美男子である。 その噂は隣国のこのセルディアまでも届く程だ。 だが、良くない噂もいくつか耳にしている。 最近では王族である権威を乱用し、とんでもない事をしていると風の噂で聞いた。
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