11人が本棚に入れています
本棚に追加
1
彼女が亡くなってから十五年が経った。
金満はあの騒動の後に離婚したらしい。
職と家族とイチモツを失い、どこかでひっそりと暮らしていると、風の噂で聞いた。
あれから、あの宝飾店は僕の前に現れる事はなかった。
当時に比べれば、あの店の事も、昔の彼女の事も、思い出す頻度が薄れてきているのは確かだった。
一昨年の春に新しい出会いがあり、歳下の女性と付き合っている。
数合わせで連れていかれた合コンで連絡先を交換したのだが、明るく、何事にも一生懸命な彼女にいつの間か惹かれている自分がいた。
最初のコメントを投稿しよう!