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「もしもし、警察ですか?今、目の前に痴漢がいるんですけど。あ、違います。私じゃなくて、もっと若い女の子が被害に……」
40代前後の女性はスマホで110番通報してくれているらしい。
「……なんだよおっ!」という声と共に、中年男性は私から手を離し、走り去っていった。
はぁ……、はぁ……。
呼吸が荒くなる。
左手で拳を作って心臓に強く押し当てるが、頭の中でぐるぐるとさっきの光景が目まぐるしく再生され、動悸も治まらない。
『減るもんじゃないだろ!!これだから女は!!』
担任の言葉が頭の中で響き渡る。
「ちょっと……、あなた大丈夫!?」
女性のその声を聞いた直後、私はその場で気を失った。
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