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「今日はなんか雰囲気が違うね」
彼女の言葉にギクリとする。
今日は気合いを入れて、有名な店を予約した。
彼女も何かを感じ取っているようだ。
食事のデザートも運ばれてきたし、そろそろだな。
僕は背広の内ポケットに忍ばせておいたリングケースを取り出し、それを開いた。
彼女の瞳が僅かに揺らいだのが分かった。
「……僕と結婚してください!」
声が裏返ってしまった。
何週間も前からシミュレーションしてきたたはずなのに!
「……はい、宜しくお願いします」
僕はケースからリングを取り出し、彼女の左手薬指にはめた。
「……ありがとう。嬉しい」
彼女は満面の笑みを浮かべている。
こんなにも喜んでくれるなんて、選んだ甲斐があったな。
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