暗いの…怖い

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「…3、2、1!!」 プツン! 真っ暗になった。 テレビも部屋の電気も消えた。 冷蔵庫のモーター音もしない。 エアコンも止まった。 一瞬、自分がどこにいるのかも分からなくなり、暗闇に目が慣れるまでじっとしている。 カーテンを空けておいて良かった。 外の方が明るく感じて、やっと暗闇に慣れてきたところで窓へ向かった。 窓から見える景色が…黒い。 街灯も信号も消え、車も走っていない。 いつもなら見える、窓の外の住宅街の明かりも消えているから、空の方が明るく感じる。 あ、今日は満月なんだ… 窓を開けて網戸にする。 音もほとんど聞こえない。 静かだ… 「………真希」 窓の外を眺める私の後ろから そっと私を抱きしめて耳元で囁く声。 「真っ暗だし音もしないね」 私の言葉に 「真希の家に来ておいて良かった」 「ふふ…翔吾は怖がりだからね」 翔吾は3歳年下の私の大事な人。 185cmの大きな身体に、細マッチョで綺麗な筋肉に包まれた体躯。 老け顔で実年齢より上に見えるキレイ系の顔立ち。 なのに… とっても怖がりで、お風呂に1人で入れないし、寝る時も電気を全部消すと泣きそうになる。 もちろんお化け屋敷なんて一緒に入ったこともないし、ホラー映画も見れない。 でもすごく優しくて暗がり以外は男らしく、いつも私をリードしてくれる。 「真希…ベッド行こ?」 職場の翔吾はクールでしっかりしてるイメージなのに、私のそばにいると甘えたの小型犬そのものだ。 私にまとわりつくように歩き、ベッドに到着すると、私を抱えあげてベッドに横になる。 「真希…離れないで…」 既にウル目の翔吾。 可愛い 「一緒にいるから大丈夫だよ」 翔吾の頭を撫でる。 いつも寝る時とは逆で、私が枕を使って翔吾に腕枕をしてあげた。 翔吾は私の胸元に顔を寄せて、私に抱きつくようになる。 「…暗いね」 翔吾が小さく呟く。 「大丈夫。私がいるでしょ」 大きな子供だ。 私がクスクスと笑っていると 「…だって………」 きっと、怖いんだもん とか言いたかったんだろうけど、さすがにそれは口にできなかったみたい。 「テレビもないし…このまま寝ようね」 そう言いながらも眠気はない。 「うーん…まだ寝れない」 翔吾も眠くないらしい。 それはそうだろう。 まだ夜の8時。 こんな時間に寝るのは小学校の低学年以来だ。 「………んっ…」 私の胸元に頭を乗せていた翔吾が、、私の胸を悪戯し始めた。 「もう!………ンンッ!」 付き合い初めて2年。 翔吾は私の弱い所を熟知している。 「クーラー止まってるから、窓空いてるんだよ?それにシャワーも浴びれないし…」 なのでそういう事はしないで頂きたい。 「だって真っ暗だし、まだ眠くないしさ、真っ暗だし…」 重要な事だから2回言ったの?
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