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「旭さんを殺せたということは、凶器を取り出すときには脚立はまだ使えたんだろう。ネジは外されていたのではなくゆるんでいただけなのかもしれない。でも次に血のついた凶器を隠そうとしたときにはネジが完全に外れ、樹里さんは足を踏み外した」
「でもそうなると、樹里さんは凶器を隠すのに失敗したってことだよね。じゃあ、凶器はどこに行ったの? だって、樹里さんの部屋も警察に調べられてるはずだよ」
小春が言うのを聞いて、真実ははっとした顔になった。
「この家にないっていうことは、もしかして……」
悟見は頷いた。
「ああ。まだ持ってるんだよ。樹里さんが、自分で」
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