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数分後に画面の分割は減少し、四十人程の女性が選ばれて静止したが、ヘッドセットをした壇洋文はAIの名前『ウィリアム』を呼んで指示を続けた。
「ウィリアム。九名まで絞ってくれないか?」
『ダン。無茶言いますね』
「都城怜雄人は優し過ぎるから、結婚相手には包容力と強いファクターが必要だ。ポイントを絞り込み、低い者は切り捨てろ」
『ボーイズラブが好みかと思うけど、女性じゃないとダメなの?』
ウィリアムの口調は女性的であったが、実質的に膨大な知識と男女の人間の感情を有し、多重人格のXジェンダーとも言える。
「依頼者は結婚して、子孫を残す事を重要視している」
『ジェンダー・フリー。性の好みは自由ですわよ』
「とにかく要件を満たす理想の結婚相手を探し出せ」
『問題は恋が芽生え、愛が育まれるか?演出まで問われるなんて、超難しい課題です』
「僕が君をウィリアムと名付けた理由を忘れた?」
『ウィリアム・シェイクスピア』
「キャストを選び、愛の物語を作る。そう考えれば簡単では?」
『ダン。よく言うわね』
再度映像が流れ、最終的に九名の女性が選ばれて一枚づつ分割画面に並び、壇洋文はタブレットを手にしてその中の一人、剣崎乃武子のプロフィールを興味深げにスクロールして確認した。
大型画面には次々と選ばられた九人の女性のプロフィールが書き込まれてゆく。
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