1章 幼少期〜少年時代

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9歳か10歳の頃から,家に1人の男性が夜ご飯を食べに来るようになりました。私はこの人を 「おじちゃん」 と呼んで慕っていましたが,その後この人は,私の父親になるとはその時の私は思ってもみませんでした。 何事もなく小学校を卒業し,そのまま地元の中学校に進んだ私は,大好きなサッカー部に入り、練習に明け暮れます。 しかし同時に,少し悪い仲間も作ってしまいます。悪いと言っても最初は隠れて煙草を吸ったりビールを飲んだり,という程度,今時の中学校1年生にはいないでしょうが、 当時はそれくらいの反則(正確には法律に触れますが(汗)) が可愛く思えるほど,街にはヤンキーと呼ばれる不良や暴走族で溢れていたのです。 特に私の地元の中学校は荒れていて,まだほんの少し前まで小学生だった私は 髪を金髪や赤に染め,改造した学生服をかっこよく着こなす3年生の不良たちを 『かっこいいなぁ,けど関わるのは怖いなぁ』 と,いつも教室の窓から,正門前で大人数でたむろする先輩たちを,こっそりと眺めるのが日課となっていました。 そんな私が中学2年生になった頃から一気に非行の度が増すのは,1人の同級生、吉田(仮名)からのある誘いからでした。 広島には3つの大きなお祭りがあり,1つは暴走族が警察と衝突した事で, 2000年当時は全国的にも取り上げられたことがある,毎年11月に行われる“えびす講”というのが有名です。 余談ですが,この一連の大きな事件は,私の地元の後輩たちも沢山検挙されています。 それから6月に行われる“とうかさん“ この二つのお祭りは時期が違いますが,同じ場所で開催されます。 そしてGWに開催される“フラワーフェスティバル”というのが広島市民の三大イベントとなっているのです。 どのお祭りにも当時は色鮮やかな特攻服を着た,大きなチーム名の入った旗を振る暴走族が“闊歩しながら練り歩く”という異様な行動をとっていました。
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