1章 幼少期〜少年時代

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中学3年にもなると,学校の先生は私を避け,煙草を吸おうが髪を染めようが,もはや何も言えなくなっていました。改造したバイクで学校前を走り,終いには警察署にもバイクで乗り込み,警察官が飛び出して来るまで逃げない,という度胸試しまでしていました。 憧れていた地元の暴走族にも入り,家にはほとんど帰らず,近隣の中学校まで私の名は轟くようになっていきました。 私は“不良”という小さな世界で大きな勘違いをして“天狗”になっていました。 この頃の私の家族構成ですが,母との二人暮らしから,前述した “おじちゃん”と,おじちゃんの連れ子である,私より10歳も歳の離れたお兄ちゃんとの4人で生活するようになっていました。母は“おじちゃん”と再婚したのです。 母は,当初こそ、非行を繰り返す私に泣いてばかりいましたが,もはや涙も枯れ果てたかのように,その頃にはもう何も言わなくなっていました。しかし後年,父から聞く話には,毎晩のように布団で泣き,円形脱毛症にまでなっていて,それを必死に隠して仕事に言っていたようです。 再婚した父は,私の非行を自分のせいだと思っていたのか,私が何をしても怒るような事をしませんでした。でも時折とっても悲しそうな顔をしていたのをよく覚えています。 中学校を卒業した私は,高校には進まず、義理の兄となったお兄ちゃんの会社で現場作業員として働き出しました。 しかし仕事は長続きせず,友達とバイクに乗ったりシンナーを吸ったりして遊ぶ方が楽しく,暴走族として,この世の春を謳歌していました。 警察にお世話になったのも一度や二度ではなく15歳の時と18歳の時に鑑別所に収監されましたが,運良く少年院にはいきませんでした。 そして19歳となった私は,この後の人生を大きく変える“覚せい剤”と出会うのです。
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