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「所長~! 今回の高野さん、すっごい優良物件がきましたね!」
「夢見手さん好みの男だった?」
「それはもう! 顔もなかなかだし、背も高くて清潔感もある。何より、見てくださいよここ! あの有名な京西大学卒、そしてあの有名な八城電力勤務! 女性からの要望の高い年収五百万もばっちりクリアしていますよ。それに全然喋らないところがクールっていうんですかね? ああ、私が高野さんと結婚したいくらいっ!」
「夢見手さん、お客様との恋愛はご法度よ」
「もう、そんなこと分かってますって。もののたとえじゃないですか、所長ってば」
「それならいいけれど」
「とにかく彼なら即成婚間違いなしですよ! 私の成績もアップアップ」
はしゃぐ夢見手の横で、姫崎はプリントアウトされた高野の性格適性診断の結果を眺めていた。
——純粋で臆病——
「さて、それはどうかしらね」
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