ストーカー・イン・ザ・シック

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 明石は、これ以上聞き込みをしても特に得るものは無いと判断した。そこで、思い切って、仕事帰り加藤を尾行して犯人を突き止めようと考えた。これ以上佐川に怒られるのは嫌だったため、誰にも言わずに行くことにした。  飲み会から一週間ほどたった日の出来事である。  加藤から、あれ以上ストーカーに関する言及は無い。他の三人も、ストーカー事件に触れる様子はない。一度明石が中川に話を聞いたところ、このように証言した。 「あの飲み会の日から、毎日俺があいつを家まで送ってる。ストーカーが怖いからって、頼まれたんだ」  さすがに誰かと一緒にいるときにストーキングは出来ないでしょうね、と明石が言うと、中川は一瞬気まずそうにした。あいつも、今は全然普通だよ、特に悩んでる様子もないからさ、だから大丈夫、とまくし立てた。  そうですか、と明石が言うと、中川はそそくさと立ち去ってしまった。
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