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会場に着いた。
「あっ!雅也御免、ひとつメール流し忘れてた」
優子が壁際に寄りスマホを操作している間、俺はポスターを見ていた。
【今日、忘れられない体験をする!】
へぇ、プロポーズの返事って一生物だもんな、さすが優子。と感心していると優子が戻って来た。
「ごめんね、あっスマホ電源切った?」
「そっか」
俺は電源を切りポケットにしまった。
「いらっしゃいませ。始まりますと回りは一切見えなくなります。途中に移動が必要になった時の為にこちらをお持ち下さい」
何やらゴーグルの様な眼鏡を渡された。
「雅也、私預かろうか?バックに入れておけば見えなくても取り出せるし」
「そうだな、頼む」
映画館の様な作りを想像していたが、中に入ると間隔を広く取りソファが配置されている。座ると立ち上がるのが大変な位、身体を包み込むゆったりとしたソファだ。
「なんか、ワクワクするな」
優子に話しかけたが、優子は緊張しているのか、笑顔が堅い…。
「さっ!始まるよ」
優子が小さな声で呟いた。
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