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スマホにメッセージが届いた。
速水優子、彼女だ。
あの出会いから半年、始めはお互いが休みの日にお決まりのデートコース。段々想いが積のって行くに連れ会う間隔が狭まり、今ではお互いいっときも離れたくないと思う様になっていた。
そろそろあの話しをしなければ…。
「優子…、聞いて欲しい事があるんだ…」
「何?」
何時ものように首を少し傾けながら優しい笑顔を向けてくれている。優子ならわかってくれる、俺が抱えてきた暗闇を…。
俺は過去の事故の事を話した。優子は悲しげな顔で、でも真剣に時には包み込む様な眼差しで俺を見つめて聞いてくれている。
「雅也、わかった…ひとつ聞いていい?」
真剣な表情で俺を見ている。
「なに?」
「その女の子はどうしたの?」
優子の目は真っ直ぐに俺を見据え答えを待っている。
「目が見えなくなったって…」
「それで?」
「だから俺が書類送検されたんだよ。怪我位ならどうって事なかったと思う」
優子はゆっくり首を横に振りながら
「それは雅也の事でしょ?違うのその女の子は今は?」
「知らないけど、命には別状なかったから何処かで暮らしていると思う。とにかく親も俺もあれがきっかけであの街離れたから…」
俺は正直に包み隠さず話した。
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