ハニ☆トラ

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――と、その時。 「あやめ、話が違う」  僕の部署の隣の石田課長がふすまを開けて中へ飛び込んできた。血相を変えている。石田課長は愛妻家で有名で、奥さんの写メを待ち受けにしているくらいの人である。そんな人が部下を下の名前で呼び捨てしていた――二人がただならぬ仲という事がわかる。 「あれ? 石田課長、どうしたんすか?」  僕は気の抜けた声で尋ねると、何も知らない体で彼を見た。  何も知らない体を装ってはいたが、さっきから襖の外に誰かいることには気づいていた。石田課長とあやめ先輩がずいぶん前から不倫していることも、もちろん知っている。僕の問いには二人とも応えないが、石田課長はずっと呆然とした顔であやめ先輩が僕に突かれているところを見ていた。課長に見られて興奮したのか彼女の中の潤いが増してゆき、そこはさらに卑猥な音を立てていた。僕もあやめ先輩も動きを止める気はない。 「あああああ」  必死で僕にしがみつくあやめ先輩は、全身で絡みつき僕を搾り取るように腰を動かしている。そこには普段の取り澄ましたような表情は微塵も感じられない。快楽に支配されている女の顔はなんて浅ましくて綺麗なのだろうと思う。  僕が突くたびに彼女の乳が揺れる。彼女の唇の端からだらしなく唾液が垂れ、胸の谷間を汗と混じりながら伝って落ちて行った。 「やだ、イイっ」  背中をそらしながら叫ぶ彼女を見た時、石田課長が我に返る。 「山門、あやめから離れろ!」  焦点の定まってない人形のような目で彼女は僕を見つめる。課長のことなど視界に入っていないようだった。 「あやめ先輩、課長はああ言ってますけどどうします? 止めちゃっていいです?」  僕は動きをピタッと止めた後、彼女の膨れ上がった蕾をこじ開けて指先で弄り――そのままゆっくり上下運動を始めた。一度抜けてしまう限界まで引いた後、脳天を貫くかのように彼女を串刺しにする。あやめ先輩の膝がガクガクと震えだし、膣の中がぞうきんを絞るように引き絞られていくのがわかる。 「ダメ、止めちゃダメぇっ」  その両腕はしっかりと僕を抱きしめ、彼女の内側の襞が一枚一枚存在を主張するように僕自身に絡みつく。 「課長、ダメですって。どうします? このまま見てますか?」  まるで仕事の指示を待つように僕は言うと、彼女を抱き寄せ両乳首を軽く噛むようにいたぶる。これ見よがしに音を立てて吸い上げると、 「もうっ、ダメぇ」  彼女が一瞬呼吸を止め、そして深々と息を吐きだした。  僕は全身で彼女の痙攣を受け止めている。気が付けば課長の姿はなく、僕とあやめ先輩は二人きりになっていた。
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