マヨナカクラブ

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 マヨナカクラブを聴き始めて半年が経過していた。内海さんはラジオネームは絶対に教えてくれないし、僕のラジオネームも言わないでと言われているから教えてはいない。  好きだけど、告白まで一歩踏み出せない僕は、今週思い切って告白演習場にメールを投稿した。 「暗闇倶楽部のマヨナカクラブ!ここからは恋に悩める人の背中を押す『告白演習場』のコーナーのお時間です」  告白演習場は、好きな人に自分の思いを伝える前に練習したいリスナーが、声を録音して番組に送るコーナーだ。採用されると声や好きな人の名前はスタッフさんが加工するから身バレの心配せず安心して投稿ができるし、俊介さん、遥さんとリスナーが投稿者を応援してくれる人気コーナーの一つだ。 「今回、勇気を出してメールを投稿してきた一人目は、ラジオネーム点心娘さん」 「それじゃあ、言ってみよう!」  遥さんの決め台詞のあと、拍手のSEが聴こえてきた。まだ読まれてすらいないのに、点心娘さんの告白が成功しますように……!と僕は思った。 「……くんへ。私がマヨクラを勧めて聴いてくれたのは……くんだけです。ラジオの話をすると皆「ダサい」と笑って見向きもしなかったけど、……くんだけ聴いてくれました。優しくて面白い……くんが好きです!大好きです!」 「以上、点心娘さんの告白でした。俊ちゃん、マヨクラきっかけでの告白ってこの番組初だよね?」 「うん。初めてだね。この番組きっかけで恋が芽生えるってとても素敵だし、僕はこの恋が成就してほしいなってめちゃめちゃ思う」
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