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「うん!皆めでたいよね!そこで、私が俊ちゃんに無理言って、二人に向けて曲を作ってもらいました」
遥さんの言葉に会場がざわめいた。僕達のために、暗闇倶楽部の二人が……曲?
「どうしても二人を祝福したい!音楽で!って遥がいうからさ。それに……横アリ公演、点心娘と観に行きますって以前番組に加湿器からメールがきてたから、きっとこの4万人のどこかに加湿器と点心娘がいるんだろ?」
「加湿器くーん!点心娘さーん!本当におめでとう!」
遠いステージの上でぴょんぴょんと遥さんが飛び跳ねていた。モニター越しに、赤い髪の毛やスカートがふわふわと動いている姿は無邪気な子供みたいだ。
「えへへ。俊ちゃん、私のわがままきいてくれてありがとう」
「いいよ。今回は僕もお祝いしたいなって思ったからかな。曲も珍しくすらすら出てきたんだよね」
「1ヶ月もかからずに曲作った俊ちゃん偉い!そしてレコーディングをマッハで終わらせた私、超偉い!」
自慢気な遥さんのMCに僕は思わず笑ってしまった。この人は本当にマイペースで情に熱く、どこか面白い。
会場も拍手に混ざってあちこちから笑い声が聴こえた。
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