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「ゆっくり開けてくださいね」
少しずつ目を開けていく
目の前にはたくさんの顔が嬉しそうにこちらを見ていた
「裕翔!みえるか!これ何本だ!!!」
父親が両手をぱっと開いて笑顔できらきらとこちらを見てきている
「10かな?」
その瞬間みんなが一斉に喋りだし
父親は医者に呼ばれ退席していった。
そういえば、昨日来ていた上着を左の棚から自分のひざ元に持ってくる
一枚目の紙を開く
伊藤海空 2089年 8月12日 死去 202 病室
二枚目の紙を開く
安楽死した
あなたの目は私の目
見えないほうがよかったでしょ?
なんて、書いてあるんだ?
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