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〈4月6日〉中2で七海と出会う
#中学2年生になって、思春期というのだろうか、やたらと女子のことが気になり始めた。特に自分にはない、女子の胸の膨らみに興味がある。同級生の女子の中には、胸が発達した子もいるし、まだまだ子供っぽい子もいる。体育の時間の体操着は、ブラジャーの種類が良く分かる。姉の萌香は他の女子より胸が大きく、確かCカップのソフトブラを着けている。胸の形を隠すようにしているスポーツブラより、ブラジャーの線が透けて見えるソフトブラの方が見ていて楽しい。こんなことばかりを、いつも考えているのが俺の本性だ。
梅枝七海とはクラス替えで一緒になり、同じ保健委員に選ばれた。髪の毛はさらさらのショートカット、目のぱっちりとした可愛い顔をしている。身体つきはまだ子供っぽく、胸のサイズはAカップと小さ目だが、脚が長くてスタイルが良い。半年間は保健委員として、一緒に活動するのが今から楽しみだ。#
立松千宙と梅枝七海は同じ保健委員に選ばれ、お互いを意識していた。思春期の始まりにふさわしい出会いであり、恋の予感があった。
☆七海☆立松君はサッカー部だと言っていたが、きりっとした顔つきと引きしまった身体が魅力的だ。これから半年間は、同じ保健委員として話す機会は多いだろうし、わたしにも春が訪れた気がする。☆☆☆☆☆
5月になって保健委員の仕事として、保健だよりの作製当番が廻ってきた。テーマは『中学生の男女交際』で、アンケートを取る事になった。二人は質問内容を相談しながら考えていたが、千宙は恋愛について七海がどう反応するか興味があった。
「梅枝さんは、男子と交際したら何をしたい?」と訊くと、七海は顔を赤くしていた。さらに「好きな人とキスしたい?」と訊くと、落ち着きなくモジモジしていた。
「あー、ごめん!梅枝さんへの質問じゃなく、アンケートの質問項目だから。」
「あー、そうだよね。びっくりしたよ!いきなり訊いてくるから。」
彼女の可愛らしい態度に満足を覚えたが、もう少し反応を試したくなった。
「次の質問だけど、キス以上のことも聞いてみる?」と言うと、
「えー?それって、セ、セッ…のこと?立松君はどうなの?してみたいの?」とあせって、七海は下を向いたままだった。
☆七海☆放課後、二人だけの教室で緊張した。アンケートの質問を相談していたが、中学生の男女交際の質問に、キスが出て来るとは思わなかった。しかも「キス以上の事」とは何?セックスだと思って口走ってしまったけど、後からペッティングという行為もあると気付いて恥ずかしかった。それにしても、立松君がそんな事を考えているなんて意外だった。男子は幼稚だと思っていたが、わたしが奥手なのかも。☆☆☆☆☆
その日、帰り道が一緒だと分かった二人は、翌朝から一緒に登校する事にした。七海から申し出て千宙が承知した形だが、二人の気持ちは通じ合っていた。
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