インチキ占い

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「はーーーーー! 今日も長い1日が終わったーーー!」 小さな部屋で大きな独り言を言いながら、私は疲れで重たくなった体を、ソファに投げるようにドサッと乱暴に座った。 入浴後、この大きなソファに座り自分のエゴサーチをつまみにビールを呑むこの時が私にとって最高の瞬間なのだ。 私の仕事は占い師…と言っても歴2年のひよっこだ。 しかしこの2年で私の人生はガラリと変わった。 ただの占い師ではなく、超人気占い師になったからだ。 朝8時から夕方17時まで、休憩1時間のきっかり8時間勤務。 だけど電話での占いだから場所は、要らない。 1人につき1時間、1万円。 それでも1ヶ月先まで、予約はいっぱいだからありがたい。 世の中皆せかせか生きている。 生活のために仕事をし、頭を休める暇もなく働き蟻のようだ。 でも、一息ついた時にフッと我に帰るものだ…今のままの自分でよいのかと。 …私のように。
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