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その夜、皆が風呂に入って、最後に百合香が入り、出て來ると
基子は「最後の神頼みをする」と、近くの小さな神社に行くと言い出し
「いくら近くても、危ないよ」と、慶次郎も付いて行ったと、史郎が言う
「そんなに心配しなくても、俺、大丈夫なんだけどな~」
そう言った史郎は、いきなり百合香を抱き上げ、出窓に座らせると
「それでも、叔母ちゃんのお守りは欲しいな~」と言って
百合香を抱きしめ、胸に顔を埋めた。
「史郎ちゃんったら、大学生になろうかって言うのに」と、言いながらも
子供の頃は、よくこうして抱いてやった事を、懐かしく思い出す。
父親に叱られたとか、友達と喧嘩したとか、悲しい事が有ると
史郎は、母の基子では無く、百合香の胸で甘えていた。
子供が出来ない百合香にとって、その時だけは、母になった様で嬉しかった
その時と同じく、頭や背中を撫でてやりながら
「まるで女の子の様だったのに、こんなに逞しくなって
私が、年を取る筈だわ」時の流れを、しみじみと噛みしめて言う。
「大丈夫、叔母ちゃんは、年をとっても、何時までも綺麗だよ」
胸から顔をあげて、史郎は、悪戯っぽい目でそう言う。
そんな史郎は、もう、一人前の男の匂いをさせていた。
抱きしめられていると、胸がドキドキする。
甥っ子なのに、ドキドキするなんて、この頃、慶次郎に抱いて貰って無い
その所為かも知れないと、百合香は、自分の女の部分が嫌になる。
基子は「この事は、誰にも内緒よ」と言ったが
大金なので、黙っている訳には行かない。
久しぶりに百合香のベットに来た慶次郎に話した。
怒られるかと思ったが「良いじゃないか、貰っておきなさい」と、言う
「でも、、大金よ」「な~に、義姉さんの300万なんて
俺達の、3万円くらいな物さ」「でも、、、」
「義姉さんは、兄貴と、上手くいって無くて、家では孤立しているからな~
毎日、面白く無い日を過ごしているらしい。
うちに来ると、その分を取り戻す様に、燥いでいるし
友達も、あまりいないから、お前を誰よりも信頼している。
たまには、お前の役に立ちたいのだろう
貰ってやれば喜ぶんだから、良いんじゃないか」
慶次郎はそう言って、百合香を抱き寄せた。
久し振りの温もりに、百合香の気持ちは、もう浮ついて
その事には「そうね」と、終わりにして目を瞑る。
隣りの部屋の、史郎は、もう眠ったのかと、ちょっと気になる。
しかし、その気がかりも、直ぐに消し飛んで、慶次郎の愛撫に息を弾ませる。
普段は冷たく、私を愛してくれているのかしらと、疑う位だが
百合香を求める時、慶次郎は、とてつもなく優しかった。
身体の隅から隅まで、丁寧に愛撫し「百合香、大好きだよ」と、甘く囁く。
その声と共に、押し寄せる喜びに身を震わせ
「あ、、あ、あ、、、」両手でシーツを握りしめ、絶頂へと向かう。
その時になって、やっと慶次郎の熱い物が、そっと入って来る。
「あ、あな、、た、」大きな満足感が百合香を襲い
もう、堪えきれない所まで、登りつめて、一気に弾ける。
そこから、更に、二度三度と、慶次郎に翻弄され「あぁ、もう、駄目、、」
火のように熱くなった体は、最後の高みで弾け、ぐったりと手足を投げ出す。
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