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個人登録票、アレルギー検査表…と、提出するものを広げて確かめていると、机の上が一杯になり、1枚の書類を下に落としてしまった。急いで取ろうとすると、左隣に座っていた男子が拾ってくれた。
「あ、ごめん。ありがとう。」
私がそういって手を出すと、彼は鼻で笑いながら書類を
「どーぞ。年上さん。」
といって手渡してきた。私は暫しの間、理解が追い付かずに混乱していた。
年上?同い年じゃないの?私クラス間違えた?いや、そんなわけない。舞生たちもいるし…と考えていると、再びその男子が口を開き、
「大丈夫?8月生まれのおばあちゃん?」
と言ってきた。こいつは私の書類の生年月日の欄を見てそういっているんだと、気がついた。その瞬間に、私が抱いた感情はただひとつ。ムカついた。
「は?何あんた。同い年でしょうが私ら!」
そう私がキレると、
「大丈夫?更年期?これだから年寄りはやだよ。ちなみに俺、3月生まれ。お前より7ヶ月ばかり遅いんで。」
と、はじめは少しばかり大袈裟な身ぶりをしながら、最後は誇るような顔をしながらそう言った。
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