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01.憂鬱な夜
幼い頃、仔猫を拾ったことがある。
小学生の低学年くらいだったと思う。小さな身体に抱えるランドセルが重くて学校の行き帰りが苦痛だった。友だちと話をしていればあっという間の時間も、一人だとやけに長く、重く感じていた。
確かそれは雨の日で、ランドセルだけでなく傘も邪魔で、雨も邪魔で、決して良い気分ではなかった。けれど帰り道で見つけた仔猫に嫌なことすべてを忘れてしまうくらいはしゃいでいた。
雨に濡れていることも忘れるくらいだった。
小さなダンボールに入れられた仔猫は捨てられていたのだろう。私はどうしてもこの猫が欲しいと思い、恐る恐る抱えて仔猫が雨に濡れないように抱きしめて、家に帰った。
嬉々として家に帰り猫を見せると両親に怒られた。
その頃小さなアパートに暮らしていてペットは厳禁だったのだ。
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