06.同居条件

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06.同居条件

「どうぞ」 「い、いただきます」  私は何をしているんだろうと思いながらもおいしそうなごはんを目の前に出されたら食べるしかなくなる。手を合わせてさっそくお味噌汁をすする。 「……おいしい……」  また、今朝のような声が出ていた。彼の作るお味噌汁はどうしてこんなにおいしいのか不思議だ。男性ってこんなに料理上手なものなのかと初めて知った。  次にほうれん草の胡麻和え、そしてそぼろ丼に手をつけた。どれを食べてもおいしくて、仕事後の空腹に沁みていく。 「どうかな?」  目の前の彼はじっと私を心配そうで不安げな表情な視線を向けてくる。 「全部おいしいです、すごく」  嘘をつく必要はない。正直に答えると、彼はひどく安堵した表情を見せた。  それから正座をして私の隣に移動してくる。まっすぐで真剣な視線が向けられ、私も自然と背筋が伸びた。
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