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通勤時、私の最大の敵は空でいつものように強烈な攻撃をしてくる。
その攻撃を防ぐために装備をした私を道行く人々は奇妙な目で見る。
まぁ、マスクにサングラスに帽子に手袋、夏なのに長袖長ズボン、おまけに首にはスカーフと肌の露出を最高に最低限にした格好はかなりおかしいだろう。実際、通報されかけたことがある。
というか、なぜ、他の人々はこの中を平然と歩けるのか疑問だ。私は暑くてもこの装備がなければ外を歩けないのに…
職場に着くと、今度は天井に敵がいる。
だが、外の敵ほど強くはないので、帽子とスカーフ、長袖の上着は不要になる。
だが、サングラスははずせない。
職場には事前に説明してあるので着けたままでいられるが、陰で何か言われているのは知っている。
サングラスじゃなくて、私の言動が原因かもしれないが…
夜、最大の敵は彼方へ行くので攻撃は止む。なので私は夜が好きである。
できればこの時間に長くいたいのだが、私は不幸なことに朝型人間なので夜は眠くなる。
自分の部屋に帰ると、最低限の光源のもとで、必要なあれこれを終わらせると、部屋の電気を消す。
真っ暗闇。
私を攻撃するものもなくなって、ふう、と息を吐く。
暗いのが嫌いな人は多いが、私にとってこの闇が一番優しい。
光過敏症の私には、蛍光灯の光すら眩しく感じる。
その上、皮膚が弱く、紫外線であっという間に焼けて焼けどをしたようになる。
光のない解放感をしばらく味わったあと、明日に備えて寝ることにする。
明日の攻撃に耐えるために。
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