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「ヘージくん、異世界の勇者の頃僕の加護持ちだったんだ。とってもキラキラ光る魂であま……勇者らしいおいし……強い魂を持ってたんだ。」
所々おかしい言葉が出てきては引っ込んだり色々ツッコミたい気持ちは山々だったけど、私は静かに聞いていた。
「魔王と対峙する時まではホントに地球のアニメやゲームの主人公みたいでどの勇者にも引けを取らない立派な勇者だったんだ」
私には想像できませんね。
そんな好青年なクズ山。気持ち悪い……
辛辣なコメントを心の中で吐きながらクズ山ヒストリーを聞く。
「魔王……」
ツッコミたい。
エロ魔王がクズ山じゃんっ。
「まぁ、言いたい事あるとは思うがひとまずカイロスの話聞こうか」
怖っ……
さっきまで優しかったクロノス様がめっちゃ怖い顔してる。
「は、はい……」
「魔族がいてね。まぁ人族とは身体の性能もつくりも違うもんだからお互い反発し合った。人って愚かだから違う・自分より優れてると分かると理解せず弾圧した。これは地球も同じだよね。魔族って長寿・強い種族だけど繁殖能力低い。数の弾圧がはじまって…魔王、魔族の1番強い奴が滅びる前に統一して数に対抗した。」
コレだけ聞いてると魔王の正当性を感じる私は何なんだろな。魔族?微妙〜〜〜〜。
「君みたいに考えられる人だけじゃないのが人の世なんだよね。」
カイロス様の仰る通りです。
「ただ、魔王はやり過ぎた」
クロノス様が話す。
「人に対して恨みが募って爆発し、暴走した。人が編み出した光弾に魔王の最愛の妻が亡くなったからなんだが」
あー、人の暴挙の餌食が嫁。
魔王救われない。
なんか少し同情するわ。
「それで魔王は人をうっかり人滅魔法で滅ぼしそうになった。人口残り30%になった」
こうなったら戦犯は光弾打った奴じゃん。
うっかり虎の尾を踏んでしまった奴、出てこい!!
「それで?クズ山は魔王討伐しに行ったの?」
何か自業自得な人族にはあまり同情できない。まぁ、上が悪いんだろうけど。
いつの時代、いつの世界でも老害っているんですね。
「討伐じゃなく、説得しに行った」
ムッツリ膨れる幼児クズ山。
可愛いんだろうけど中身クズ山だから全然きゅんきゅんしない。
「人滅魔法だけはやめて欲しいと頭を下げに行ってきたんだよ。そしたら勝負吹っかけられて……」
え…もしや、決闘?
「ギャンブルでした」
カイロス様は微笑んだ。
はい?
なんですと?
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