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「カイロス、そろそろいいか?スクルドが限界きてるようだ。俺は慣れてるからいいがスクルドはキツそうに見える」
確かに美しいご尊顔の眉間に大きな皺がくっきりと刻まれている。
そんなお顔でも美しいんですけどね。
「当たり前ですよ。気を抜いた瞬間物事が決まってしまいますから。私は万能ではないのですよ。姉2人揃えば少しはマシでしょうが……」
口篭るスクルド様。
私がこの中で神様として讃えるのであれば、スクルド様しかいない。
スクルド様大丈夫かな。
申し訳ないです、クズ山のせいで……
カイロス様はあんなだし、クロノス様は元人間って聞いたからか何故か親近感あり過ぎるし推しのような…イケメン扱いで神様ぽく思えない。
「またヨシコさんの余計な思考を聞いちゃった…僕とクロノスの扱いがどんどん雑になってくね。ヨシコさんも限界そうだし、そろそろ時間だね」
「僕の加護は特に隠遁しとく。兄や姉達にバレたらややこしくなるから1番につけとくよ。オマケみたいな付属。チャンスの神の加護なんてそん位軽くて良いのさっ」
カイロス様が私の隣に来て手をかざす。
なに、これ……小さな元〇玉みたいな物体。
いや、螺〇丸?いや、これ死ぬわっ!!
「いやーーー!!死にたくないです!!!!」
猛烈ダッシュした私の襟を掴むクロノス様。
足ばたつかせてる私。
完全に宙に浮いてる……
「ゼン子、何故逃げる?」
「それ、必殺技じゃないんですかっ?突然なんですかっ。めっちゃ怖すぎです!泣いちゃいますよっ!!」
漫画やアニメじゃないんだから。
言っちゃ悪いけど、リアルで見るそれは幽霊や火の玉のような恐怖の対象より生々しく非現実的だ。
言うなればSFのレーザービームに近い。
「魂になった今、更に死ねと言うんですかっ!!神様残酷ですっ」
号泣しはじめた私をスクルド様が頭撫でてきた。
「急いでるからと言って説明省いてしまいすみませんでした」
「私が話してしまうと未来が決定してしまうので敢えて話さなかったのですが…配慮できない男神に任せてしまうのも…こうなると思ってました」
「改めまして。加護は人に入れば吸収し魂と融合します。人体に入る前の加護は視認でき、それぞれ色形違います。人体を持たぬ私ですが、加護を与えた事のある身としては痛いものでは無いと知ってますよ」
スクルド様が眉間に皺を寄せ、苦笑いしている。
そんなお顔も美しい……
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