閑話 神達の談話

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閑話 神達の談話

「いや、びっくりしたね」 「あぁ、まさかね。」 「彼はストーカーなんでしょうか…」 いきなり現れた元勇者の元魔王。 まさかヘージの側で自ら世話役をしていたとは思わなかった。 恐らくロキ辺りが面白がって魔王にしてしまったんだと3柱は口揃えてため息混じりで言った。 「ロキが毎回やらかすのはお約束なんだけど、彼の場合魂が俺やヘージより格上だったぞ。解析した後俺泣きたくなったわ…」 額に手を当て上を見上げる。 恐らくクロノスはロキが戯れなければ彼がこの場にいたであろうと察する。 「そうだね。彼魔王って縛りの中で可能性を模索して努力してたものね」 カイロス自身、自分の加護を過信していた。 いや、過信は言い過ぎではない。 実際そうなので当たり前の事だ。 それをあのようにスキルや加護に頼らず両者成敗的に解決した彼を絶賛していた。 「彼は誠実です。実力も頭脳もずば抜けてます。なのに酷いです。(わたくし)赦せませんわっ」 スクルド自身、未来への言葉は紡げないが過去においては自由に発言できる。 普段自身を律しているので気持ちを発言する時若干早口で荒々しい。 「でもね、彼の能力なら誰かしら気付いて止めててもおかしくない。多分故意的だったと思うよ」 確かに彼はどの勇者より神を魅せる。 魔王だった時クロノスを魅せたように。 元勇者というのはそんな存在。 ヨシコさんもヘージくんよりクロノスに魅せられていた。 (まぁ、ヨシコさんにとってヘージくんへの信用は地に落ちてるから比べるの酷かな) そんなクロノスが魅せられた。 魔族になっても高潔で清廉潔白。 それがカリスマ性を高めるのであろう。 そんな彼。 誰かのお手付きかな。 後釜に墨付けてれば魔王に堕ちても道がある。 そうなると伯父さん辺りかな… 伯父さんは僕とは少し遠いから気付かなかったけど。 冥界ならば魔王なんて打って付けだ。 寧ろ経験しとけって感じだ。 「…………なんか納得しちゃった、僕…」 「え?どういう事?カイロス……」 「この件ハーデスが絡んでいるかも」 「まさか、ハーデス様が…」 3柱とも沈黙する。 3柱共々苦々しい顔で見合わせるのであった。 「ハーデス様、スパルタですからね、ある意味…。ロキなんて目じゃない。おっかねーよ」 「伯父さんがついてるなら問題ないね」 「人を見る慧眼、流石ですわ。」 ある意味そんな人物にヘージくんの護衛頼んじゃっていいのかとは思うが…… 率先してるのだから、まいっか~と思う3柱であった。
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