辺境の平民ライフ(一応HHL)

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僕達の住む街。 チェスコって呼ばれている地区ではあるんだけど、森に囲まれている。 アマゾン川よりはドナウ川のような、そんな川。 どんな世界も水辺の地域は豊かだ。 勿論水害もあるにはあるだろうけど、ないよりはあったに越したことはない。 因みに氾濫を気にしてきちんと対処されているような街の造りをしている。 この世界にしてみると、随分と斬新な考えのもと造られてるなと違和感バリバリなんだけど10歳の僕が思うのも違和感ありまくりなので黙ってはいる。 領主は貴族。 確か侯爵家だったかな… チェスコは地区で、地域はレブリカのウィンスダー領。ウィンスダーが貴族の名前。 あまり覚えても僕らには関係なさそうなので、高い地位のある人が領主サマと覚えた。 随分斬新で人格者なんだな。 妙に識字率高い街だし、貧富の差があまりなく身分の垣根も低いし、恵まれた環境に感謝したい。と言うか、これはカイロス様が選んだ場所なんだけどね。流石と言うべきかな。 人って役割を分担すると意外とすんなり事が運ぶんだなって僕はこの地区に住んでから感じるようになった。 領主サマは領主サマの部下に色々役割を分担させ、さらに平民の僕達の親達のとこまで役割を委任している。 責任持ちながら部下に任せる。不平不満に対する気持ちも配慮されている点から『社畜だった事あるんじゃないか』と巫山戯た考え方を持ってしまっている。 まぁ、10歳でこんな考えしてる僕も巫山戯た存在なんだけど。 普通貴族なんて選民思想バリバリじゃん。 日本にいた時でさえ厨二病はちょっと置いておくとして、お偉いさんに対してゴマすりする周囲も気色悪かったけど受ける側の鼻の伸びた顔見るのも気色悪かったわ。 自分の会社の専務や社長を遠くで見ておげぇ~って思ってたよ。 きっと引退して死に近付く度チヤホヤされてた頃を忘れられず、周囲に当たり散らす図しか想像つかない。 だから貴族には極力近付かない。そう思ってたんだけどね。 近い… この地区は貴族との距離が近過ぎる。 おかしい。 物語の貴族って金ピカ強欲な愚かなイメージだったのに、とても質素だ。 警備隊の皆さん、まぁお巡りさんのようなお仕事の人達からは護衛されているけど。 警備隊員達は制服着てると皆同じに見える。 私服着てる人が領主さまかな。 ん?領主にしては若いな。 「お兄さん達、誰護衛してるのかな」 好奇心で聞いちゃう。 だって仕方ないじゃん。 あれ、どう見ても10代。 自分と歳の変わらない子ってどーなん。
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