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続・HHL~ティーンエイジャー・ゼン~
おっと、黒歴史になりそうなサブタイつけてしまった。
戦隊モノではございません。
10代の青春野郎を満喫している僕、ベルゼンでございます。
今日無事に11歳になりました。
そろそろ甘ったれヘイジーを鍛えようかと思うんですよね……。どう思いますか。
ふむ。まったりしすぎですかね。
しかしここはまたりスローライフな世界ですし。
小さな諍いはあるけど、戦争自体がまだまだない世界なんすよ。なんせ歴史が浅いし。
魔法がない世界で、魔力がないもんだからそもそも魔獣や魔王なんていないのよ。
勇者いらない世界、やっほい。
戦いはないけど、狩りはある。タンパク質大事。獣はいるから弱肉強食ではあるんだよね。
デメテル様の世界の人は、あまり理不尽な人がいない。なんて良い世界なんでしょう。
と言っても子供の歩き回れる範囲だから広くはなく、寧ろ狭い世間なんだけどさ。
拝んじゃいますよ。ビバスローライフ!
やっば…勢い余って死語叫んでしまった。
人の黒歴史なんてこんなん積み重ねだよね、トホホ。
この世界、貴い人様は12歳から学校に通うらしい。
でも平民、一般人は学校に通わない。
これは異世界人族ヒエラルキーのお約束。
ま、領地経営や国運営なんて大層なものはお偉いさんに投げときゃいーのさ。
平民は働かざるもの食うべからずって事で12歳から働きはじめるのが常識。
家の仕事手伝ったり年齢制限のない子供にも出来る仕事をしたりする。
比較的ここの地区は恵まれてるから仕事は探せれる。
それまでの間、どうするかを1年で決めないとならない。
ヘイジーの事、悩ましいな。どうしよかな。
イーサンは僕よりしっかりしてるから安心できるけど、問題はヘイジーだ。
12歳になるまでの3年間、どうしたらいいのか本気で悩んでいた。
「ベルゼン」
急に僕を呼び止めた声の方角を見ると以前より背が伸びたハーヴェイ様がいた。
そう言えばあれから1年ぶりだ。ほんの少しだけ声が低くなったような気がする。
「こんにちは、ご無沙汰しております。ハーヴェイ様」
心の中では苦い薬を飲んだ後のような感覚だけど、外面用のスマイル0円な顔をしてみる。
愛嬌大事をモットーにしている自分としては通常運転だ。
実はこの上なくハーヴェイ様に苦手意識を持っているのは、出会ってから数分後に迂闊発言を聞かれているから。
有耶無耶にしてその場から離れたから今問われても知らぬ存ぜぬで振り切れるはず。
だけど、頭良さげなハーヴェイ様には警戒して損は無いかなと思う。
にしてもとんでも美形だな。
ヘイジーを大人にしたら、あんな風になんのかな。
貴族は食べるものから何から何まで平民と違うからなぁ。
だからこそ、びっくりヘイジーなんだよね。
子供で天使みたいなら、大人になったらさぞ神々しくなるんだろ。
ヘイジーとイーサンが並ぶともうこの世のものでは無いみたいだ。
イーサンの存在はもうチートというしかない。
僕でさえ、興味対象。
あの2人の存在は、ハーヴェイ様に知られるわけにはいかない、見せちゃいけない。
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