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「おじさーん、今度買い物来るよー。その時まけてね。またねー」
八百屋さんを通り過ぎた。
「それにしてもゼンは顔広いな。11歳で行動範囲広くないか。良く大人と会話してるのか」
ヴェイの問い。
確かに最近子供より大人と話す機会が増えてる。
「そりゃ、僕来年には仕事しはじめるからね。貴族じゃない子なんてそんなもんだよ。僕の親は店やってる訳じゃないから継ぐ仕事ないし。今から仕事探してる最中なの」
僕の今の両親は會志。まぁ、前世で言うならば会計士みたいなものだ。とある商会の一員で夫婦揃っていいトコに勤めている。
コネで入ってお世話になる事もできるけど、なんか前世であった仕事って面白くないんだよね…
どうせなら異世界ならではな特殊な仕事してみたい。
ギフトなしの仕事で…だけど。
因みに警備隊は警察や自衛隊みたいなもんだから異世界ならではのものではない。
「因みに学校は行かないの?」
「は?僕貴族じゃないから行くわけないじゃん」
「学校は平民もいるよ」
「平民は平民だけど、商会持ちの坊ちゃんお嬢様でしょ。金持ちじゃなきゃ行けないよ。それに何を学ぶのさ…」
この世界での学校って何を学ぶのか分からない。
読み書きや計算は既に取得済み。
化学科学なんてない世界。
強いて言うなら世界史とかか。
外国についてやマナーとやらか。
平民に必要あるか疑問。
「この国以外の言葉や歴史。マナーとかかな。と言っても貴族は当たり前なもんだから真面目に学んでるのは平民の学友達だね」
「僕から言わせると勉強する時間と働きながら学ぶのとじゃ取得するスピードが違うと思う。必要にかられての方が効率的」
自分的に、授業の英語とホームステイでの英語位違う感じってゆうのかな。
これはヴェイに言っても分かんないだろうから言わないけど…
話しながら歩いてたら花屋の前まできた。
「あ、着いた。スージィ姉さん、こんにちは」
「ベルくん、こんにちは。いらっしゃい。今日はお友達も一緒なのね」
「ヴェイです。はじめまして」
スージィ姉さんは微笑んで出迎えてくれた。
ヴェイがなんとなく顔が赤くなってる気がする。優しくて美人なスージィ姉さんに対して
照れてる様子。
分かるよ、今の君の気持ち。
僕もそうだったからね。
でも意外。貴族様って綺麗な人多いから見慣れてるかと思ってた。
「以前ヴェイの護衛してた警備隊マーティ兄ちゃんの妹さんだよ。似てないよね」
「え゛?」
普段落ち着いてるヴェイがびっくりしてる。そりゃそうだろうね。
共通点が見当たらない位に似てないし。
「兄とはよく似てないって言われてるの。酷い時は橋の下に捨てられてたから拾われた子、なーんて言われた事もあったのよ。酷い言われようよね」
苦笑いしながらスージィ姉さんが言った。
言われるならマーティ兄ちゃんだろ。
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