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あー、今僕は何してるんだろ…
やらなきゃいけない事は沢山あるし、問題を抱えてるのに呑気に街案内。
ヴェイには悪いけど、構って欲しいなら何も僕じゃなくてもいいのに。
と、思いながら律儀に案内してる僕。
仕事探してヘイジーをどうにかして、尚且つ平民には見えないヘイジーやチート野郎のイーサンの事、ヴェイにはバレないようにする。
ヴェイにはヘイジーやイーサンの存在がバレていい方向に向く事は無いと思ってる。
まぁ、ヘイジーは今の所顔だけだから誤魔化せるけどイーサンはヤバい。
チートテイストなイーサンは貴族にはバレない方がいい。
平穏ではいられない予感がする。
つか、2人して目立ちすぎる。
デメテル様の創った世界、科学が進んでないのは理由がある。
3柱の神が何故ここを選んだのか。
文明を進めるなら何か言われたはず。
スローライフって言ってたから進めてはいけない気がする。
だって進めば進むほど人の欲は毒になる。
ヘージの浄化が目的なら文明はいらない。
転生や転移モノの主人公達って責任とか感じた事あるのかなぁ…
文明進めると諍いが増える。
私ならこの世界のものだけで何とかしたいわ。
私は戦争を知らない。
でも元の世界には確かにあったんだ。
戦争後のモノをこの世界に持ち込むなんて…
医学もそう。
確かに命を救う事は尊い事だし凄い事だと思う。
だけどこの世界に合うものかと考えてしまう。
未来がどうなるのかとか考えただけでおっかない。
と、話逸れた。
顔隠せる仕事ってないかなぁ~…
それとも船乗って漁師とか。
1度出たらなかなか帰って来れないし。
甘ったれヘイジーなら根性叩き直せるし一石二鳥だよね。
海賊〇にオレはなる、なーんてキャラ的に言いそうなんだけど残念ながら記憶ないんだよね。
今のヘイジーに言わせたらカワイイんだろうなぁ…
いかん、トリップしてしまった…
ヴェイはスージィ姉さんと話してる。
少し位はほっといてもいっか。
店の端にある棚。
今日の袋は何袋かな。
スージィ姉さんは花によって袋を用意してくれてる。
あれ?今日やけに多いような…
「スージィ姉さん、袋いつもより多いね」
まだ破棄するには早い花もある。
珍しいな、発注や採取間違えたのかな。
「えっとね…最近ウチのくすいが人気で生花や薬草より人気になっちゃって。お小遣い分だけで全部やらなくていいからね。」
それにしても数が半端ない。
やりかけのものもある。
「わかりました。出来る分やっときますね。ヴェイ、ちょっと待っててね」
小遣い分ならいつもと同じ数で良いよね。
手短に済ませよっと。
「ゼンは何してるの?」
ヴェイが興味津々で店の端にきた。
「くすいって匂い袋の作成。香水より優しい匂いだし、薬草とかも中にはあるから効果的なのもあるんだよ」
ポケットの中から僕の持ってるくすいを取り出す。
「これ、僕のね。いい匂いでしょ」
ヴェイが匂いを嗅ぐ。
レモングラス…あ、こっちではフーネと呼ばれる。それとフズイで柚子系の果物の皮。僕ユズの香り好きだから毎回入れてる。
フーネも元から好きで前世でも良くお世話になったものだ。
「爽やかな匂いがする。とゆーか、ゼンの匂いだったんだ。さっき歩いてる時から心地良い匂いしてたから気になってたんだ」
「香水より優しい香りでしょ?値段もお手頃だし、しかも色んな効果もあるんだよ。これなら分かりやすいのは虫除けかな」
ヴェイがびっくり顔してる。
めっちゃレア顔だ。
「ゼンは何で香水なんて知ってる」
あ、やば。
この世界の香水は貴族や金持ちしか使ってなかったわ…
大失言、うっかりだ…。
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