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気持ちって…秀也君は何を。
「城田だよ。アイツがお前の側でチョロチョロしてるのが気に入らなかった。てか今も。お前と一緒に居るとたまにふとアイツの顔が頭を過って俺だって不安にはなる。」
「いつも自信満々の秀也君が…?」
「俺は男だしプライドだってあんだよ。ウジウジ考えこんでなんていられねぇ。格好悪りぃ。」
「そうだったんだ。あの秀也君だもん…全く分からなかったよ。」
「あのって何だよ。」
「いや…はは。でもそんな思いさせてたのは私もいけなかったしもっと秀也君の気持ちを感じ取れれば良かった。ごめん…。」
「別に。とにかくお前頭冷やせ。」
「う…ん。」
頭をクシャッと撫でられた。
「ったく、突然何を言い出すかと思ったら。じゃあな。」
秀也君は胸をなで下ろし帰って行った。
私はその場に立ちつくしていた。
秀也君は秀也君なりに私に対して不安を感じていたなんて思いもしなかった。
私はそんな秀也君にあんな突っかかるみたいに。
自分がなんて小さな人間なんだと呆れた。
そして何度も心の中で秀也君に謝る。
由紀乃さんは秀也君にとっては先輩の奥さんというだけの存在…そう、それだけ。
先輩の奥さん…。
私はその言葉を噛みしめる。
もっと大人な女性にならないと駄目だ。
もっともっと大人にならないと秀也君とは付き合えないもん。
…。
そうは言っても直ぐにまた不安が襲う。
由紀乃さんと秀也君の関係を感じながら私はこの先平気で居られるのか。
例え秀也君は由紀乃さんに特別な感情は無いとしても由紀乃さんの方は…。
旦那さんも子供も居る身だしそんな事は無いと思いたいけどでも。
さっき秀也君は逆に由紀乃さんが秀也君の事をどう想っているかは触れなかったな。
秀也君と分かり合えた様な気分になっていたけどこの先の私達二人がずっと一緒に笑って居られる保証は何処にも無いんだ…。
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