希望晴

4/9
前へ
/9ページ
次へ
そして、この一言で我にかえった佳奈は自分のしていたことに対する嫌悪感に襲われた。    ❇︎ ❇︎ ❇︎ ❇︎ 優樹の家は、そこそこの大きさの会社をやっていて、お爺さん、お父さんに続く三代目として優樹の運命は決まっているようなものだった。しかし、優樹には考古学者になりたいという夢があった。当然、家からの反対は凄まじく、言うことを聞かないのなら、大学の費用も自分で出すように言われていたことを佳奈も知っていた。優樹は、当然、親の反対を押し切り、学費も自分で出して大学へ通っている。 優樹は、佳奈の前で、辛そうな様子だったり、弱音を吐くことはなく、自分のことはあまり語らず、佳奈の話を聞いてくれる存在だった。そのため、佳奈が、ついつい甘えすぎてしまったことは事実である。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加