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小学生の頃、いつも何かに追われているかのような気がして、絶えず後ろを振り返る癖がついていた。 押入れの暗闇にいる間、真っ暗な奥に引きずり込まれるのではないかと怯えていた記憶のせいじゃないかと思っていた。 その癖のせいで、周りの人から「何か他の人からは見えないものが見える人」として好奇の目で見られることも多かった。 自分でもこれはやりすぎだとわかっているのに、止められないほど、僕は怯えていた。 見えない何かに引きずり込まれることを。
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