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「僕は将来ニューハーフの小さなショーパブを経営したいんだ。よかったら一緒に経営しないか?」 「わっ、ホント?実はお客さんで私に店を出さないかって言ってくれる人がいるの。私は一人で日本で店なんか出せないって断ったんだけど理来くんとならやってもいい。お客さんが来たらやる気になったって言ってみる。都内でニューハーフの店をたくさん出している人なの。お客さんもたくさん呼んでくれるって言ってくれてるの。理来くん、考えてくれない?」  理来はえっと驚いた。自分はまだ二十五歳だ。店を持つのは早すぎるんじゃないか。マリアも同じ年だ。ママになれるのか。でもやってみたい。高円寺に潰れたライブハウスがあるらしい。大学のときの友達がバンドマンで「ライブハウスが何かに使えないかな」と言っていた。小さいショーパブが出来るだろう。 「そのお客さんに今度会えるかな?」 「うん、大体週末に店に来るの。連絡先も聞いてるし、食事に誘われてるからオーケーしておこうか?」 「そうだな。でも僕まで食事に割り込んだらいけない」 「だいじょーぶ、だいじょーぶ、ビジネスの話だって言うよ」  マリアはニコッと笑う。  二時間くらいバーに居ただろうか。マリアはジンライムを五杯も飲んで目つきが危なくなってきた。理来はジュースに切り替えてチョコレートを食べていたんだが雰囲気に酔いそうだった。 「そろそろ部屋に戻ろうか?」 「うん、一緒のベッドで寝ましょう」 「えっ?」 「いいでしょ?腕枕して」 「分かった、分かった」  理来は笑顔で答えてマリアの腰に手を添えて部屋に帰った。
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