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次の日に目を覚ますとマリアはもう起きていてシャワーを浴びたようだった。シャンプーのいい香りが部屋に漂っている。
「随分早いんだね」
「ニューハーフは朝、色々やることがあるの」
そうか、髭を剃ったりしていたんだろ。
「朝ごはんは食べられる?」
確かレストランで朝食バイキングをやるみたいだった。
「昨日いっぱい飲んじゃったからコーヒーだけでいい。理来くんが食べたいのなら付き合うよ」
理来もそんなには食べたくない。でも宿泊券は一泊二食付きだったからパンくらい食べようかな。
「着替えてレストランに行こうか。コーヒーもあるだろう」
マリアは「そうだね」と口角をあげた。
朝食バイキングの店は昨日フレンチ料理を食べたレストランの隣だ。入口に黒板があって今日のお勧め料理が書いてある。黒板の隣には観葉植物が置いてあった。
「今日は海老ドリアがお勧めなんだ」
「理来くん、食べられるんだったら食べてみたら?」
「そうだな、折角だから食べようか。マリアが気持ち悪いのにいいの?」
「私は見てる分には大丈夫だもの」
理来とマリアは二人掛けの席に腰掛ける。厨房の前のテーブルには料理がズラッと並んでいる。
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