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マリアは白いコーヒーカップを持って香ばしい匂いがするコーヒーを注いでいた。理来はクロワッサンをお皿に乗せてテーブルに置くと海老ドリアも取る。ピッチャーからオレンジジュースをグラスに注いだ。
「これを食べたら帰ろう。今日は仕事だろう。仕事が無かったらショッピングでも出来たのにな」
「そうだね、そうだ、今週末、仕事が終わったら理来くんのマンションに行ってもいい?」
「いいけど店長にバレないようにしないとだな」
理来はそう言って海老ドリアをハフハフと食べた。テーブルに置いてあったものだが熱々でチーズがトロリとしている。
マリアはコーヒーをお代わりした。理来もお腹がいっぱいになったのでコーヒーを飲む。薄めに作ってあって美味しい。
十時にシティホテルを出た。高速に乗って帰路を急ぐ。今日も天気が良い。青空が高く広がっていて雲が低いところに薄っすらと浮かんでいる。
高速を降りてコンビニに寄った。
「マリアはミントタブレットを買いたいだろう」
「なんで分かったの?欲しいと思ってたの」
理来はクスっと笑う。
「行きの車の中でも口に入れてたからね。僕も舐めたいんだ。あ、でも眠くなったわけじゃないよ」
今度はマリアが可笑しそうにする。
車はマリアの住むマンションに着いた。十二時ちょうどだ。お昼ご飯を食べたいが理来は夕方『シリウス』で使う食材の買い出しに行かなくちゃいけないしバタバタ忙しくなってしまう。
「また店で会おう。遅れたらダメだよ」
「うん、楽しかった。ジェーンに自慢しちゃおうかな」
「アハハ、そしたら噂が広がるよ。誰にも内緒だ。いいよね」
マリアは目を細めて笑った。
理来は自分のマンションに帰る。部屋は二十四時間換気が点いているので空気が籠ったような感じはしない。トレーナーを脱いでチェックのシャツを着た。パソコンを立ち上げてメールのチェックをする。店長から『昨日フルーツが終わったから宜しくな』とメッセージが来ていた。スーパーで沢山買わないといけないな。
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