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 ウエイターはモップを壁に立てかけた。この子は二十三歳で髪を金髪にしている。この子も大学を卒業して就職したがパワハラに負けてここで働き始めたんだという。 「マリアさんとデートしたんですよねー。羨ましいな。あの人は僕も憧れてます」 「マリアは美人だし、性格がいいからね」 「ええ、マリアさんと寝たんですか?その、お尻で……」  直球で訊かれた。寝たといってもお尻には入れてない。射精はしたが…… 「君が想像するようなことまではしてないよ」 「そうなんだ。ニューハーフってお尻でするんだと思ってました」 「物を取った人は人口で女性器が作れるらしいよ」 「じゃあ、マリアは?」 「マリアはまだ取ってない。でも女として好きだ」  ウエイターは目を大きくした。マリアが綺麗で性格が女だとしても物を取ってない男だ。理来がそんなニューハーフを好きになっているのが驚きなんだろう。
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