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 三階に行くと小さなテーブルが置いてあって上にゴリラの縫いぐるみが乗っていた。部屋のランプが緑色に点滅している。たぶんあそこだろう。理来はマリアと手を繋いで天井の低い廊下を歩いた。  部屋に入ると四角い機械がウイーンと鳴った。そして女の人の声で喋り出す。 「当ホテルは自動会計システムを活用しています。お帰りの際はこちらの機械にお金を入れてください。お会計は会計ボタンを押してください」  ラブホテルに来たのは初めてじゃないからこれくらいは知っている。大学のときの彼女と新宿でラブホテルに入った。  部屋の中は清潔そうで白い壁に赤い絨毯だった。布団には黒いカバーが掛かっている。ベッドの枕元に照明や有線の機械がある。その横に赤い電話があった。  理来は黒い合皮製のソファーにマリアを座らせる。自分も隣に座ってテーブルの上を見るとウエルカムドリンク無料と書いてあるメニュー表があった。 「マリア、何か飲むでしょ」 「うん、ビールがいい」 「僕はメロンソーダにしよう」  理来はフロントの番号をプッシュして受話器を耳に当てる。 「はい、フロントです」 「生中とメロンソーダください」  理来はそう言って受話器を置いた。ソファーに戻るとマリアがキスをして来た。 「んん、マリアは積極的だな」  理来は唇を離して苦笑した。
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